『真に守るべきモノ』





第八章「折れた心、動かぬ体」


光の遮られた真っ白い部屋。
呼吸器が音を立て、それをつけている恭也君が眠っている。
部屋に居るのは私と眠っている恭也君、それにカエデだけ。
恭也君の家族は皆、恭也君の容態を医者から説明されているところである。
私達は知り合ってまだ数日しかたっていない。
それでも、私達に協力を申し出てくれた彼の性格はある程度知ることが出来た。
物静かでぶっきらぼう、でもとても優しく強い。
大河君とはまた別の心の持ち主。
例えどんな怪我をしても、何度も立ち上がろうとするだろう。
でも、私が見た限りだと恐らく恭也君はもう二度と・・・・・・・・・・・。


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「はぁ〜〜〜〜」

特に意識をせずにそんな言葉が口から出た。
私達が乗っていたアースラは航行を無事に終え(途中、少々混乱はあったがあえて忘れておく)、時空管理局本局へと到着していた。
到着と共に、アースラから降りて今は本局の廊下を歩いている。
口から漏れた言葉は、その廊下に広がる初めて見る光景に驚いていた為だ。

「これは凄いな・・・・・」

「ここまで科学が発展しているなんて・・・・・」

私の隣で大河も、そしてリリィも同じ様な事を思っているみたいだ。
そんな声を聞いたなのはが振り返りながらにこやかに言ってくる。

「あはは。
 やっぱりそう思いますよね?
 私も初めて見た時は驚いてばっかりでした」

クロノもまた小さな笑みを浮かべている。

「まぁ、君らの世界は僕達の世界に比べると幼いからね。
 でもこっちには無い良さがある。
 そう言う意味では僕もなのはの世界では驚くことが多いよ」

「ホント!?」

「あ、ああ・・・」

「♪」

自分が住む世界を褒められて嬉しいのだろう。
本当に楽しそうに・・・うれしそうな顔をしている。
同姓の私から見ても魅力的な明るい笑顔だ。

「・・・・で、提督。
 俺らは今どこに向かってるんだ?」

大河が先頭を歩いているリンディ提督に声を掛ける。
が、返事は別の方向から返ってきた。

「レティ提督の部屋に向かっている」

それは背後を歩いていたシグナムだった。

「レティ提督?」

「我ら、ヴォルケンリッターが本来属している部隊の提督だ。
 リンディ提督のご友人でもある」

次いでザフィーラが補足してくれる。

「うちらは出向って形でアースラに協力してたんだ」

「レティ提督も、今はそれ程忙しく無い状況って事で私達をリンディ提督の部隊に派遣したんです」

どうやら私が思っていたよりもずっと大きな組織と言う事か。
ざっと見た限り、相当の戦力を持っていると思っていいだろう。
私達の世界で言う、警察みたいなものか。

「んで、今回の騒動の説明を兼ねて俺達を連れて行くと・・・・?」

ほとんど的外れでは無いであろう事を大河が聞く。
だが、答えは複数だった。

「それもあるんだけど、貴方達・・・・・特に、大河君とリリィさんに会って欲しい人がいるの」

「会って欲しい人?」

リリィが疑問符を浮かべ反復する。

「ええ。
 それはね・・・・」

「お帰り〜皆〜」

リンディ提督が答え様とした時、帰還を歓迎する声が響く。
声の方向に顔を向けると、少し大人びた優しそうで声からして明るい感じの女の子が立っていた。
・・・・・・・・一瞬、凛の声に聞こえたのだが気のせいか?

「あ、はやてちゃん!」

なのはが嬉しそうに駆け寄っていく。

「大丈夫やった?
 怪我とかせえへんかった?」

はやてと呼ばれた少女の疑問になのはが少し影を落とす。

「うん・・・私は大丈夫だけど、私を庇ってくれた人とか何人か怪我している人は居るんだ・・・・・」

「そうか〜。
 でも無事で良かったわ」

なのはやフェイトとはまた違う感じの子だと私は印象を受けた。
あの歳随分しっかりした子だ。

「主はやて。
 ヴォルケンリッター、ただいま戻りました」

シグナムが言いながらはやての前にヴォルケンリッターの四人が並ぶ。
その言葉に少し疑問符を浮かべる。

「主?」

その声はリリィのものだ。
シグナムの主と言う言葉に疑問を持ったのだが、なのはがそれを氷解してくれた。

「ヴィータちゃん達ははやてちゃんの騎士なんです。
 使い魔って言った方がわかりやすいですか?」

「・・・・・使い魔?」

「・・・・・・マジか?」

リリィと大河の驚きももっともだが、フェイトの使い魔・・・・アルフが居るのでさほど驚く事でも無いと思うのだが・・・・。
それ以上に・・・・・。

「彼女達を使い魔として使役出来るほどの魔術師。
 貴女は優秀なんですね、はやて」

自然に私は口からそんな事を口にした。
はやては驚いた様な照れくさい様な顔をして居る。

「いや、うちなんてまだまだ駆け出しの新米ですし・・・・。
 ところで貴女は?」

「申し遅れました。
 私はセイバー。
 なのは達に助けて頂いた一人です。
 はやて・・・・と呼んで良いですか?」

「あ、これはどうもご丁寧に・・・。
 うちは八神はやて言います。
 この子らのマスターです。
 なんや半端もんですけど、よろしくお願いします」

ペコリと頭を互いに下げる。

「私はリリィ・シアフィールド。
 宜しくね、はやて」

「俺は当真大河。
 宜しくな。
 出来れば今後一生のお付き合いを・・・・・」

 ゴスッ

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」

赤い魔術師の無言の裏拳が大河の顔にめり込む。
はやては驚いた顔をしているが、もはや浸透してきているのか他の周りの人間は苦笑いを浮かべている。
なのはが小さい声ではやてに気にしないでと親切に教えていたりもする。

「はやてさん、レティは部屋に居るかしら?」

気を取り直そうとリンディ提督が話しを摩り替えた。

「あ、今はブリーフィングルームに居ると思います。
 うちも今向かっているところでして・・・・」

「そう。
 それなら一緒に行きましょうか」

「はい」

優しい明るい笑顔で返事をして、再び皆で歩き出した。
時間にして5分ほど。
一つのドアの前に着いた。
音を立てドアが開く。

「レティ、お邪魔するわね」

中に入ると眼鏡をかけた知的そうな女性がこちらに目を向けている。

「リンディ、お疲れ様。
 何とか無事に終えたみたいね。
 ヴォルケンリッターもご苦労様」

「いえ」

労いの言葉を目を閉じて受け取るシグナム。
厳しそうな方かと思ったのだが、どうやらそれ以上に慕われた方のようだ。
はやてがキョロキョロと部屋を見回す。

「レティ提督。
 あの人は何処にいるんですか?」

「あの人?」

「私達に仲間を探す手助けを頼んで来た子の事。
 正直、それが無かったら貴方達を助ける事は出来なかったわ」

私の疑問にリンディ提督が答えてくれる。
すると、私達が入ってきたドアが再び開く。

「レティ提督。
 どうやらアースラの皆さんが帰還されているみたいですが・・・・・・・」

そこで言葉が途切れ、目を見開き驚きの顔をする少女がいた。
クリーム色をした髪と、白を基調とした服。
頭に二つ髪を丸く纏めており、それでもなお長い髪をした女の子。
やがて驚きの顔が崩れ、目に涙を溜める。

「マスターーーー!!」

「「リコ!?」」

そう叫ぶ少女は大河へと飛びつく。
どうやら大河とリリィの知り合い・・・・・そして恐らく彼女も救世主候補の一人。
すぐに私はそう感じた。


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リコが大人しくなったのを見計らい、今は全員がイスもしくは壁に寄りかかった状態で居る。

「すいません、皆さんが居るにも関わらず泣いてしまって・・・・・」

リコが顔を赤くしながら謝罪した。
勿論、そんな事を皆は気にした様子は無い。
そんなリコの頭を撫でてやる。

「でも、無事で良かったわ」

その光景を見ながらリリィが安堵している。
俺達二人以外、見つかっていなかったから余計に不安だったからな。
リリィも口には出さなかったが、やはり心配していたのだ。

「私はマスターとリリィさんが飛ばされたのとは全く別の世界に飛ばされました。
 そこは様々なモンスターが居て、四六時中警戒しないといけないような場所で・・・・・。
 そんなサバイバルをしている時に、アースラの人達が私を発見してくれたんです」

「元々多次元世界の時空を管理する僕達は彼女の言葉を信じた」

「時空を管理していると言っている私達だけど、その全てを把握していると言う訳でもないの。
 いつ、どこで新しい世界を見つけるかわからないもの」

リコの言葉から始まり、クロノ、リンディ提督と流れる。

「ただ、彼女の話を整理してこちらでも確認を取らないとと言う判断を下したの。
 何かしらのアクションにはこちらが対応する。
 そのかわりと言ってはなんだけど、無限書庫での資料を調査してくれるように頼んだの」

「無限書庫?」

レティ提督の言った単語に疑問をぶつける。
名前から察すると大きな図書館と言った所か・・・・・。

「無限書庫とはありとあらゆる世界の情報を保存している場所の事だ。
 管理局が確認している世界は勿論、今在籍している管理局の人間の知らない情報も引き出す事が可能な情報データベース」

「そこにならあんたらの住んで居るアヴァターって世界の情報があるかもしれないってレティ提督は思ったんだよ」

シグナム、次いでヴィータも説明に加わってくれる。

「んじゃ、アヴァターの情報はあったのか?」

俺の何気ない言葉にリコは顔を俯かせる。
その表情だけである程度の推測がたつ。

「すいません、まだ見つけられていないんです。
 元々赤の精である私ですが、それでもここの本達の数は凄いものがあります」

「ある程度は整理は済んでいる状態だが、それでも完璧と言うわけではない。
 あとでユーノに手伝って貰って調査を再開しよう」

クロノの言葉を聞く限り、どうやら次に俺達のする事はその無限書庫でアヴァターに関する資料を探すという事の様だ。
・・・・・・・限り無くやる気が起きないな。

「その前に、今の貴方達の現状を教えてくれないかしら?
 リンディ」

「ええ」

リンディ提督がレティ提督にあらましの説明を始めた。
俺はリコに言葉を投げ掛ける。

「リコ。
 逆召喚でアヴァターに戻る事は出来ないのか?」

「それが、向こうから干渉を防ぐプロテクトがかかってるみたいなんです」

「プロテクト?」

「バリアと考えていただければ。
 こちらから逆召喚でアヴァターへと跳んでも、弾き飛ばされてしまいます」

淡々と、それでいて残念そうに説明をするリコ。
恐らく今まで自分の出来る事は全て行ったのだろう。
こちらの問いに答えが予め用意されていたように思えた。

「それに、皆さんまだそろってません」

その言葉に俺達は沈黙した。
そう、今居るのは俺とリリィにリコだけ。
未亜、ルビナス、カエデ、ベリオの居場所さえ判っていない。
そう考えて居るところに、アラームが鳴った。
レティ提督が何かスイッチを押すと小さなウインドウが開かれ、そこにエイミィの姿が映っていた。

「失礼します、レティ提督」

「ええ、どうしたの?」

「・・・・・・・なのはちゃん・・・・・今居ますか?」

「はい、何ですか?
 エイミィさん」

名を呼ばれたなのはがウインドウに近づく。
レティ提督にでは無く、自分が呼ばれた事に疑問符を頭に浮かべて居る。

「えっと・・・・・あのね・・・・」

「?」

妙に歯切れが悪い言葉と顔をしている。
その姿になのはは勿論、そこに居る人間全員が首を傾げる。

「エイミィ、どうしたんだ?
 何かあるならはっきりと言うべきだと思うが?」

クロノがエイミィの行動を軽く叱咤する。
それでもエイミィの行動はしっかりとしない。

「あ、うん、わかってるんだけど・・・・」

「エイミィ、私が言うよ」

後ろから金髪の髪の長い女の子が姿を現す。

「フェイトちゃん?」

戦闘時とは大分違う雰囲気を持っていた為、なのはが名前を言って初めて気付く。
髪を下ろしただけで相当雰囲気が変わっていた。

「・・・・・・・うん。
 なのは、落ち着いて聞いて」

「・・・・・どうしたの?」

エイミィの行動、そしてフェイトの真剣な・・・・・それでいて悲しそうな瞳。
何か嫌な予感が走る。
小さな沈黙の後、フェイトが口を開いた。

「・・・・・・・・さっき、美由希さんから連絡があったの」

聞かない名前に疑問を憶えたが、なのは達には通じていたようだ。

「・・・・・・・・・・・恭也さんが、何者かに襲われて・・・・・・・」

また間が空いた。
そして次の言葉でなのはは膝から崩れ落ちた。

「・・・・・・・意識不明の・・・・・・・重体だって・・・・・」


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いつも通りに目を覚ましたつもりだ。
だが、そこに広がる光景はいつも通りの俺の部屋じゃなかった。

(・・・・ここは?)

少しだけ首を動かして周りを見る。
真っ白い部屋。
だけど、自分にはここが何処だか察する事が出来た。
今まで何度も世話になった事がある場所。
知らないと言うと罰が当たりそうだ。

(病院?)

体を起こそうとする。
が、ピクリとも動かない。
重い。
まるで鉛で体を固定されている様だった。
ドアが開く音。
首をゆっくりと回す。
目線の先に、白衣を着た銀髪の女性が立っていた。

「・・・・・・目、覚めたみたいですね」

安心した声と優しい瞳が向けられた。

「・・・・・・・フィリス・・・・・先生?」

「はい」

また優しい声。
近づいてくると同時に体のあちこちを触診してくれる。
出来るだけ呆けを吹き飛ばす。
触診・・・・・しているはずだ。
今目の前のフィリス先生の行動を見る限り。
だが・・・・・。

(感触が・・・・無い?)

そう、触れられているはずにも関わらず自分に触れている感触が無いのだ。
ここから導き出される答えは・・・・。

「恭也君。
 今何で病院の病室で寝ているか判りますか?」

フィリス先生の言葉に思考を強制的に止める。
そして今度はフィリス先生の問いに考えを張り巡らせた。

「・・・・・・・いえ、わかりません」

病院に寝泊りするなどと言う事は普通は無い。
だからいつも通りの生活を送っていた俺に心当たりなど・・・・・・・いつも通り?

「忍!っぐ!?」

上半身を起こそうとしたがフィリス先生が俺の頭に手を置き、強引に押し返される。

「忍さんなら無事よ。
 毎日貴方のお見舞いに来ているわ。
 もうすぐ、面会時間が始まる。
 忍さんや家族の人達今日も来るんじゃないかしら」

せっせと作業をしながらフィリス先生がそんな事を言う。
フィリス先生の言葉に少し引っかかりを覚える。
毎日と言う単語。
もしかして・・・・

「俺は・・・・・どれ位眠ってたんですか?」

「・・・・・・・・・・そうね、一週間ぐらいかしら?」

「一週間・・・・」

そんなに長い間眠っていたのか。
それだと相当皆に心配をかけただろう。
特にあの場所に居合わせた忍には・・・・・。
目が覚め、少しずつ状況がわかってきた。
俺はあの時、眼帯をした剣士と紅い髪の女と戦ったんだ。
そして、忍を庇って・・・・・・・。
その辺りからの記憶が無い。
が、あの状況で自分が生きているのが不思議だった。
あの二人を見た限り、敵に情けをかける等無いだろう。
なら何故?
思考が止まる事無く駆け巡る。

「恭也君?」

フィリス先生の言葉で再び思考が停止する。

「はい」

「・・・・・考え事の前に私の質問に答えてくれるかしら?」

「何ですか?」

一拍の間を置いて、フィリス先生が真剣な眼差しで俺を見つめてきた。
そこには僅かな悲しみの色。

「・・・・・・・・・・・腕と足、動かせる?」

その問いに動かして返事をしようとした。
だが、それに愕然とした。
右腕以外、動かなかったからだ。
そしてとても印象強かったのが、その光景を見たフィリス先生の悲しそうな・・・・申し訳なさそうな顔だった。


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「どうして!?どうしてお兄ちゃんを巻き込んだんですか!?」

高町家の大きなリビング。
皆が集まるその場所で大きな非難の声が響いた。
声の主は高町なのは。
時空管理局のレティ提督の部屋で恭也事を聞いてから一週間が経過した。
すぐに中継ポートを経由して自分の世界に帰ってきたなのはは恭也の状態を聞き、相当のショックを受けた。
食事は喉を通らず、言葉は少なくなり部屋から出てくる事が少なくなった。
そうした事もあり、カエデとルビナスの二人は今回の件が自分達の関わりの為に起きた事をなのはだけに伝えれずに居た。
が、今朝病院から恭也が目を覚ましたとの連絡を受け、皆で病院に向かおうとしていた時になのはに事の顛末(てんまつ)を伝えた。
最初は大人しく聞いていたなのはだったが、段々と目つきが鋭くなり今の様に激昂していった。
勿論、今の言葉はカエデとルビナスに向けられたものだ。

「お兄ちゃんは確かに強いけど、それでも普通の人なんです!!
 そのお兄ちゃんに助けを求めたりしたんですか!!??」

「なのは、違うの。
 恭ちゃんは・・・・」

「お姉ちゃんは黙ってて!!」

普段のなのはを知る者達からすれば信じられないような光景だ。
あの優しく大人しいなのはが形振(なりふ)り構わず叫び散らして居るのだから・・・・。
一緒に時の過ごす事の多い晶やレン、那美に那美に抱かれている久遠、フェイトは勿論、はやてもアリサもすずかも驚きを隠せないでいる。
目頭に涙を溜めた鋭い視線が再びカエデ達へと向けられる。
少し俯き加減のカエデ達は謝罪するしかない。

「・・・・・・・・・・・申し訳ござらん。
 拙者達のせいで・・・・・」

「・・・・私達が安易に彼に助けを求めなければ・・・・・こんな事には・・・・」

悲痛の面持ちで謝罪する二人。
だが、今のなのはにはそれは逆効果である。

「謝って欲しくなんてありません!!
 何度謝ってもらってもお兄ちゃんの体は元には戻らないんですから!
 貴女達のせいで!
 貴女達のせいでお兄ちゃんが苦しんで、私達家族が悲しい思いをしないといけないんです!!」

もはやなのはの口からはただひたすらカエデ達を罵倒する言葉以外出てこない。
本当に考えられないぐらい激情するなのは。
親友も家族も止めることが出来ないでいた。

「貴女達なんか!
 貴女達なんか・・・・・・」

「なのは!!!」

それまでじっと黙って、我が娘を見つめていた桃子が初めて名を叫ぶ。
だが、母の制止にもなのはは止まらなかった。

「居なければ・・・・・」

 パンッ!

なのはの溢れ返った負の感情が起こした叫び。
それは相手を貶める呪い。
が、その呪いは最後まで紡がれなかった。
叩かれた左頬を押さえながらなのはが顔を上げる。
目の前に長い髪の女性が立っていた。

「秋葉・・・・」

忍がなのはを叩いた人物の名を呼ぶ。
鋭い目つきでなのはを見下ろし、右手を払った状態ままなのはに問うた。

「・・・・・・・・・貴女、今何を言おうとしたか分かっていて?」

静かで、それでもしっかりと響き渡る秋葉の言葉。
その目は明らかな非難の瞳を持っている。
ゆっくりと手を下ろしながら言葉を続けた。

「・・・・その先の言葉は簡単に言ってはならない言葉よ。
 例えそれが誰であっても・・・・・。
 ましてや貴女にはそこから先の言葉に責任は持てないでしょう?」

秋葉は諭すように・・・・・・促すように言葉を繋ぐ。

「今、貴女は相手を貶める言葉を発しようとした。
 その責任の重さ・・・・・知っていて?」

秋葉の言葉にさっきまで激情していたなのはが声を出す事さえなく、黙ったままじっと秋葉を見つめている。
いや、秋葉から視線を外せないでいる。

「仮に貴女の言葉が現実だった場合・・・・貴女のお兄さんは勿論、忍さんも私もこの世には残っていないわ」

「え?」

その言葉になのはは目をパチクリとさせ、疑問符を浮かべた。
一拍間を置いて秋葉が言葉を繋げた。

「彼女達が駆けつけてくれなかったら、助からなかったと言ったの」

なのはが驚愕の顔をする。
まるで頭を金槌か何かで殴られたような顔だった。
そのまま秋葉は畳み掛ける。

「・・・・・・怒りの矛先を変えては如何?
 貴女のお兄さんの体の事は確かに気の毒だけど、今ここで彼女達に当たっても仕方ないわ。
 こうして起こってしまったのだから、それに対する行動を起こすべきではなくて?」

「あっ・・・・・」

なのはの顔から怒りが消える。
それは場所と時が違えど、一度は自分が褒められた事。
自分を庇って怪我をした衛宮士郎に対しての対処で当真大河に褒められた事。
それを自分は忘れていた。
涙が頬を伝い、心の闇が晴れ渡っているかのように表情が変化していく。
そして自分の言葉の強さに・・・・・新たな涙が加わり流れ出す。

「・・・・ご・・・・ごめ・・・・ごめん・・なさい・・・・っ」

「その言葉は私に言うのでは無く、彼女達にでしょ?」

秋葉が口元を僅かに緩ませ、優しい口調でなのはの目線まで屈み頭に手を置く。
無言でなのはは頷き、改めてカエデ達の方へと向き直る。
涙を拭いながら・・・・。

「・・・・・ごめんなさい、カエデさん、ルビナスさん」

頭を下げた。

「・・・・・・・・・・」

二人は気にした様子も無く、ルビナスがなのはに歩み寄る。
そしてゆっくりとなのはを抱擁した。

「・・・・私達こそごめんね、なのはちゃん」

抱擁に驚いていたなのはの顔が再び歪み、涙が溢れ出す。
そしてルビナスにしがみ付いて叫び声を上げた。
最初の叫びとは違った。
それは怒りが込められていなかった事・・・・。


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「はああぁぁぁぁぁ!!」

「たあああぁぁぁ!!」

 ギャァン!

甲高いを通り越し、少し鈍めの金属音が響き渡る。
時空管理局訓練室。
私が見つめる先に二人の騎士が鍔迫り合いを行っている。
一人は青い服に銀の甲冑、もう一人は桃色の服に銀の甲冑を着たどちらも女性。
セイバーさんとシグナム。
その二人の稽古を私はヴィータちゃん、ザフィーラの三人で見ていた。
互いに力を相手に加え、鍔迫り合いから距離を離す。
セイバーさんは正眼、シグナムは刀身をやや左にずらして構えている。

「・・・・・・初めて見た時から思っていたが、彼女も相当の騎士だな」

獣形態のザフィーラがそう呟く。
それに関しては私は後から記録されていた戦闘データを閲覧した時に感じていた。

「ああ。
 それにあのシグナムもどきの剣・・・・・見えないからやっかいだしな」

「ヴィータちゃん、セイバーさんってちゃんと名前で呼びなさい」

私達全員、彼女の力を認めていた。
恐らくシグナムも・・・・。
だからこうして彼女との訓練をしているんだろうし・・・・・・。
でも・・・・。

「シグナム、荒れているな」

私の心を代弁するようにザフィーラが言葉を繋ぐ。
そう、荒れている。
シグナムにしては珍しい事だった。
自分に何があろうと周りに心配をかけない様にする私達の将。
その彼女があそこまで荒れる事は、長年付き合ってきても初めて見るかもしれない。

「・・・・恭也の事だろうな」

ヴィータちゃんのその考えは多分当たってる。
シグナムはなのはちゃんのお兄さん・・・・・恭也さんを剣士として凄く敬意を表していた。
その彼が・・・・・・シグナムが認めた人物が再起不能に陥ってしまった事が酷く許せないんだと思う。
時折剣を交え、とても充実した顔をする事の多かった時。
それがもう失われてしまった事が悲しいんだとも思う。

「レヴァンティン!!」

シグナムが己の武器の名を叫んだ。

《Schlange Form》

ガコンとカートリッジをロードしたレヴァンティン。
柄部分のスイッチが切り替わり、刀身が鎖に繋がれ分割する。
それを鞭の様に扱い振るう。
そして僅かに驚きの表情を見せているセイバーさんに剣先が蛇の如く、襲い掛かる。
不規則に動くその刃をセイバーさんは睨みつける。
それを回避するのでは無く、自ら距離を詰めて突っ込んで行く。
切っ先がセイバーさんを貫かんとして向かってくる。
が身を翻し、紙一重の回避を行い更に距離を詰めて行くセイバーさん。
それを見たシグナムは柄を更に振り、セイバーさんの周りを刀身の渦に捕まえる。
逃げ道は上のみ。
空間的に移動方向が完全に絞られてしまい、どうあがいても上空に飛ぶしかない。
そう私達は思っていた。

「なに!?」

でも、セイバーさんはそれを覆す行動を取る。
刀身の渦の巻く合間を、一気に踏み込み突破したのだ。
彼女にダメージの痕跡は無い。
刀身に触れる事無く通過した。
私達は勿論、対峙しているシグナムも驚きを隠せない。
レヴァンティンを強制的に戻そうとするシグナム。
だけど、セイバーさんは更に一歩力を込めて加速する。
レヴァンティンは間に合わない。
相手の加速からの攻撃も避けなければならない。
シグナムに出来る事は一つ。
全力で上空に飛び上がる事。
足に力を込め、距離を稼ぐ為に全力で飛び上がった。
その影は二つ。

「たあああぁぁぁ!」

 ギャン!

甲高い金属音。
次の瞬間、物凄い音を立て地面から土煙が上がった。


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砂煙を上げている地点を空中から見下ろす。
手には金属の感触。
シグナムの刀身の檻の合間から抜き出て距離を詰め、回避と防御の隙を出来るだけ無くした。
あの状況で出来るのは上空への移動とそれと同時に行える間合いの調整。
そこまで読んでいた為、シグナムが飛び上がるタイミングで自分も飛び上がった。
そして虚を突いた間に剣で攻撃する。
これが先程の私が取った行動。
が、やはり完全に入らなかった。
手には剣を通して感じた金属の感触。
武器の防御ではなかった。
もっと別の何か・・・・・。
そう思考を展開させながら、ある程度の距離で着地する。
砂埃が晴れていき、中央にシグナムが鞘を前に出していた。

「なるほど、鞘で捌いたんですねシグナム」

まだ腰を上げない相手にそう感想を漏らした。
タイミング的に捌けはしなかっただろうが、空いた手に捌ける要素があったのなら別。
私は決定打を逃した事になる。
再び剣を構え・・・・・・ようとしたが私は無造作に歩み寄った。

「・・・・・・・なんのつもりだ?」

未だ立たないシグナムの低い声が届く。

「・・・・・・ここまでにしましょう」

私は切り上げの言葉と共に纏っていた甲冑を解く。
その行動に対しシグナムが反発した。

「待て!
 私はまだ戦えるぞ!?」

確かに戦うことは出来る。
シグナムほどの達人と戦える事も嬉しい。
だが、今の彼女の剣は曇っていた。

「あの時・・・・私達を助けてくれた時の貴女なら喜んで続けます。
 ですが、今の貴女の剣は曇っている」

「何を・・・!?」

「私達も同じ意見よ、シグナム」

私達の戦闘を見学していたシャマル達が歩み寄る。

「お前達まで・・・・!?」

非難染みた目で歩み寄ってきた三人を睨むが、皆はそれを気にする事無く続ける。

「・・・今のお前は我らを束ねる将として成り立っていない」

「気持ちはわかっけど、今のシグナム、危なっかしい」

ザフィーラにヴィータ。
二人にも言われ黙り込んでしまうシグナム。
恐らくシグナムの荒れた原因はなのはの兄の事だろう。
聞いた時は確かにただ事ではないと感じた。
なのはのあの顔を見ればそれがどれだけ信じられない事かも・・・・。
そしてシグナムのこの原因になりうる存在に私は興味を示した。

「シグナム・・・・良かったら貴女の知る範囲でのなのはの兄について、教えてもらえませんか?」

「セイバー?」

シグナムを始め、ヴォルケンリッターの全員の視線が私に集まる。
その視線に頬を少し緩めながら答える。

「私はなのはの兄と面識がありません。
 ですが、貴女達を見ていると少し興味が沸いてきてしまいました。
 どうでしょう?」

私以外の全員が顔を合わせて少し思案する。
が、それもすぐに終わりシャマルが口を開いた。

「そうですね、ではゆっくりと話を出来る場所に移動しましょうか」

「そうだな。
 セイバーも恐らくあいつの話を聞けば是非戦いたいと思うだろう」

難しい顔をしていたシグナムだったが少し笑みを浮かべドアへと向かう。
シャマル達三人は先にドアへと向かっていた。

「・・・・・・だが、それももう叶わないがな・・・・」

小さい・・・重い言葉だったが私にははっきりとシグナムがその呟きを聞く事が出来た。


<**********************************************************************>


「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」

シグナムとシグナムもどき・・・・・もといセイバーの戦闘訓練の後、あたしらは二人がシャワーを浴び終えて来るのを食堂で待った。
んで、二人が来た時丁度いい時間だったから飯にする事になった。
あたしははやてのご飯がいいんだけど、今は帰ってるのにわざわざご飯作りに帰ってきてとは流石に言えないから食堂で我慢する。
そんでもっていつも一緒に食べる家族とセイバーを含めた食事となった・・・・・んだけど・・・・・・。

(・・・・・なぁ、あの体の何処にあんな量の飯が入るんだ?)

(・・・・さあな)

(リコさんの時も相当驚いたけど・・・・この人もこんなに食べるのね)

(・・・・・・・・・)

そう、今あたしらの目の前でセイバーが食事をしている。
それも信じられん位の量を一定のペースで・・・・。
あのリコ・リスってのも相当食ってたけど、こいつもすっげぇ食ってる。
そんなあたしらの呆れ顔に気付いたのか気付いて無いのか、セイバーの箸が止まる。

「?どうしたのです?
 ここの食堂の食事は実に美味だ。
 食べないと勿体無い」

「そ、そうですね・・・」

セイバーの言う事に答えてはいるけどシャマル、笑顔が引き攣ってる。
リコ・リスもそうだけど、なんでこうも気にせず食えるんだ?
とにもかくにも、気にせず食べる事にしようと言う考えに至ったのはそれから約一分ぐらいしてからだった。
箸を進めて行くうち、皆セイバーの光景を気にしなくなりだした頃、シグナムが口を開いた。

「・・・・食事の途中だが、セイバー。
 お前は恭也の事を聞きたいと言ったな?
 具体的に何を知りたいんだ?」

シグナムの言葉に少し箸が止まって、顔をシグナムに向ける。
口に含んでいた飯を喉に通すと口を開いた。

「そうですね。
 シグナム、貴女達が知るその恭也という人物の全て・・・・ではだめでしょうか?」

そう言うと再び箸を動かし、皿に乗っているおかずを口に運ぶ。
その言葉にシグナムは難しい顔をする。

「全て・・・・と言われてもな。
 私達があいつをそれ程知っていないぞ?」

「構いません。
 貴女達から見た恭也を知りたいのです」

てこでも動かないセイバー。
どうやらあたしらから聞きだすのは決定事項みたいだ。
シグナムも少し苦笑した顔をして口を開いた。

「私達があいつに会ったのは向こうの世界で夕飯の買い物をしている時だった。
 主はやてを連れて・・・・・その時主は車椅子で過ごされていてな」

「はやてが?
 足が悪かったのですか?」

その言葉にあたしらは少し暗い気持ちになった。
多分それがセイバーにも感じれたんだろう。
すぐに謝ってきた。

「申し訳ない。
 部外者が安易に聞いてはならいですね」

「・・・・いや気にしないでくれ。
 その時、子連れの母親が男に絡まれていてな。
 何でも子供が悪さをしたんだから慰謝料を払えとか言っていた」

「周りから見ればどうと言うことの無いただの悪戯。
 その男の人が言うほどの被害でも無いと感じました」

「だけど、男は全然退かなくてな。
 母親は必死に謝ってたんだけど・・・・」

「・・・拳を上げたのですか?」

あたしらはセイバーの言葉に静かに首を立てに振った。

「主も流石に危険と感じてか我らに止めに入るように言ったんだが・・・・それより先に動いていた人物が居た」

「それが恭也なのですね?」

「そうだ。
 黒尽くめの服装で右手には買い物袋。
 そんな人物が片手で相手の拳を受け止めていたんだ。
 周りの人間は目を丸くした」

そこで一息つく意味も込め、お茶を口に運ぶ。

「今度は喧嘩になると主はやては思ったのだろう。
 私達に止めに入るように再び言われた」

「あたしらはそれに答え様としたんだけど、シグナムがそれを止めてな」

「正直、シグナムが何を考えているのかあの時はわかりませんでした。
 でも、その後の結果がシグナムの行動の意味を教えてくれて・・・」

「結果は喧嘩と言う攻防ではなく、制圧と言う一方的な勝敗に終わった。
 その時の動きは見事の一言に尽きる」

シグナムがその時の光景を思い出して、少し頬が綻んでいる。
多分、あの動きを目の前で見たらセイバーも驚いてただろうな。

「まるで木の葉が舞っている様な動きでな。
 あそこまでの動きが出来る人間はそうは居まい」

敬服の言葉がシグナムから漏れた。

「それから再び会う機会があってな。
 その時初めて手合わせをした。
 現在の勝率は三割ほどだ。
 魔法を使えたらまだわからんがな」

その言葉に今度はセイバーが驚く。

「三割・・・・・・・ですって!?
 貴女ほどの使い手が三割の勝率しか上げれていないのですか!?」

テーブルに手を付き身を乗り出すセイバー。

「・・・・・だから余計にあいつの敗北が信じられなくてな。
 いや・・・・許せないのか」

そう悲痛な面持ちでシグナムが締める。
その光景にシグナムにじゃなく、シャマルに質問を振る。

「・・・・シャマル。
 恭也と言う人物、性格などはどう思いました?」

「え?
 そうですね・・・・。
 とても物静かで、落ち着いた方です。
 家族を凄く大事にされていて・・・・。
 凄く整った顔で、時々笑う笑顔が・・・・・その凄くカッコよくてですね・・・・」

なんか若干シャマルの答えがズレていっている。

「あ・・・。
 えっと・・・・・とにかく正義感の強くて、戦う時とかは静かに燃える様な人でしたよ」

顔を赤くしながら必死に取り繕ってもバレバレだけどな。
だけど、セイバーは特に気にした様子も無い。

(・・・・・もしかして気づいて無いのか?)

本気でこいつの事がわからなくなりそうと思った時、セイバーが口を開く。

「なるほど。
 更に興味が沸いてきますね。
 是非手合わせを願いたいです」

そう言いながら皿に乗っている最後のおかずを口に運ぶ。

「だけど・・・・・」

あたしが言葉を続けようとしたけど、セイバーはそれを遮った。

「それに・・・・・貴女達がそれ程の感想を持つ人間です。
 このまま黙って引き下がるとは思えません」

そう言ったセイバーの瞳は確信を抱いている様な・・・・いつか戦える事を楽しみに待つような瞳をしていた。

<**********************************************************************>


白い部屋の窓。
ベットから動かぬ体で外を見る。
部屋に電気はついていない。
暗い。
真っ暗ではないが、外の天気も雨が降っている為に薄暗い。
右手を動かし前へ突き出す。
だが、他の部分が動かない。
今の俺には今目の前にある雨に触れる事さえ難しい。
かつで膝を壊した時があった。
あの時はまだ自分の力で立つ事も外に出る事も出来た。
今はそれが叶わない。
誰も居ないこの部屋。
悲しい現実に打ちひしがれ、ただただ雨の風景を見る事しか出来ない。

「・・・・・・俺は・・・・・・・・・・・・」

今は誰も居ない。
家族も既に見舞いに来てくれて、帰っている。
だから・・・誰も見ていないから・・・・弱音を吐けた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・無力だ」

呟ききった。
普段なら絶対にしない失態。
ドアの向こうにはカエデとルビナスがおり、恭也のその言葉を聞いていた。




第九章に続く






〜*あとがき 八章編*〜
さぁ、参りました第八章!
無意味にテンション高いのは眠いからだと自白するルシファーです。

AYU:身も蓋もないわね。

知らん!
で、本日は恭也君のダウン章〜。

AYU:嫌なネーミング。

気にするな。
何者にも挫折と言う言葉は付きまとうものだ。

AYU:この場合ちょっと違う気がしなくもないけど・・・まぁ確かに。

んで、やはりここは恭也に挫折して貰おうと・・・。

AYU:その心は?

Let's 嫉妬!!!!

AYU:アホかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

ベナウィ!?
な、なんで殴られるのかな?!

AYU:下らない嫉妬で世の恭也ファンの皆さんを不快にさせたから!
    主に私を!!

そうか、お前恭也ファンだったのか・・・。

AYU:と、言うわけで、これ以上恭也を酷い目にあわせるのなら・・・。

いい、そっから先聞きたくない。
超が付くほど私怨でやられそう。

AYU:当然!

胸張って威張るなあああ!!
・・・まぁ、これからの展開によっては恐らく狂喜乱舞する事だろ。

AYU:嘘だったら承知しないわよ?

あい、わかった、わかりました。
しかし、元が良い子だと負を書くのが難しくて難しくて・・・。

AYU:なのはの事?

そ。
どうやったら怒るかな〜って思ったんだ。
ならこうなった・・・。

AYU:もしかして恭也、エサ?

人聞きの悪い。
贄と言いなさい。

AYU:余計悪いわ!!!!!

ベラボー!!??
むむ、あ、鼻血が止まらん・・・。

AYU:ったく。
    セイバーとシグナムとの模擬はうまい事書けてたんじゃないかしら?

あ、お褒めの言葉が・・・。

AYU:これ以上うまく書けるようにさせるんで、今日はこの辺で、それでは〜。

ではでは☆



かなりの重傷みたいだな、恭也。
美姫 「うーん、このままリタイアとなってしまうのかしら」
怒ったなのはは怖いし……。
美姫 「益々、続きが楽しみね」
うんうん。ああー、一体どうなるんだろうか。
次回が待ち遠しい。
美姫 「次回も楽しみに待っていますね」
ではでは。



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